めちゃくちゃよかった……

・4話 十王院回
・5話 高田馬場回
・6話 鷹梁回

4話 十王院回
マダガスカル(出オチ)で笑ってたが笑ってる場合じゃなかった。
気がついたら国際レベルの貧富というか、異文化の観光消費の是非というか、強者の理論とか、それでも資源があるうちは夢があるのかなとか、なんか…つらくて……十王院財閥内部の確執以前にこういう概念でまず殺されることになるとは思ってなかったです。
財閥内部の揉め事については、ジジイの掌の上だったのかという一種の安心もありつつ、まだまだ波乱がありそうなので一男には気を引き締めて取り組んでいってもらいたい。ちょっと古風な気質なイメージがあるので、ゴルフとかもやらなきゃいけないんだろうな、大変だな…。でもマダガスカルまで行っちゃえばゴルフもへったくれもないわな。ペーパーカンパニーなのかと思いきやちゃっかり天然ガス採掘の実績まであげちゃって、よかったね一男、児玉の息子が培ってくれたこれも一種の愛なんだね。
ネブカドネザルについてはちょっとキンプリから離れた感情になってしまうので割愛します。ああいうのダメなんだよ、好きなんだわ、あれさえも私が異文化に押し付ける幻想になってしまうけど、その幻想を捨てられずにいる自分自身の話になってしまう。
一男にとっての愛って何になるんだろうな。一男に愛を教えてくれた人物は、財閥内部の闘争で足元すくわれて貶められて、それでもマダガスカルでの一男を支えてくれた。
その愛を受けて一男はフラミンゴになって、オレンジのフラミンゴはマダガスカルを救うんだよ! ゲロ泣きしたわ。泣かずにいられるか? 愛の連鎖だ、これは。愛をつなげていくこと、一男にも頑張ってほしい(一男はもう十分頑張っている)。
一男のプリズムショー、衣装含めて絵面はめちゃくちゃ面白いのに、目から涙がボロボロ出て止まらんわ。徹頭徹尾、最高の流れだった。
一男、スタイルも顔もめちゃくちゃ良くて、連続ジャンプは飛べなくてもそのナリだけで百万点だな〜と思った。最初キンプリを見たときはチャラメガネの一種だね〜という印象だったのに、作品を重ねるごとに人間としての器の深さが見えてきて、ユキノジョウ回での言動ももちろん、今回の十王院回でより深く彼の内面を好きになることができたと思っています。ただ懸念は、彼のあの態度は器の深さであると同時に諦めの良さなんじゃないかなという部分でもある。スタァになったところで、キングを目指しうるのか? そこまでいけないのか? 高校生の彼には、あまり時間は残されていないのかもしれない……またいずれ「進路」というキラーワードで私たちを刺してきてくれるのかもしれない。

高田馬場回
岡山………。香賀美回でも思ったが、以前から雑誌のインタビュー記事で明かされてきた出身地のくだりがこうやって消化されるとは全く思っていなくて、とにかく胸が苦しい。アイドル…じゃなかった、プリズムスタァも一人の人間で、親がいて、学生ならではの家庭の悩みがあって…という面を見せてきてくれる、苦難のシリーズですよ今回は。
背後の風景が山!川!な岡山でも法月仁の完璧なプリズムショーは見ることができて、そしてそれに憧れる子供もいるんだ!という描写。
高田馬場回は泥臭いシンデレラストーリーだったな。
高田馬場はプリズムショーの舞台上でも連続ジャンプを披露できる実力派であり、「その場」に現れることができる真のスタァであり、そこに至るまでの彼自身の努力があり、彼のことを理解してくれる人/家族もいるんだってこと、今まで匂わせるだけだったものがしっかり描かれていて、すごく理想の「高田馬場ジョージ」の表現に近かった。
そろそろソロ活動はいいけど、歌はどうするんだ…? 法月は「これまで通り」って言ってたから、相変わらずGS体制でいくのかな、そりゃそうか、でも高田馬場の歌も聞いてみたいな、下手でもいいから、公衆の面前でなくてもいいから、機会が欲しい。
めちゃくちゃよかった………。

鷹梁回
静岡〜〜〜そうくるか〜〜〜〜。
泣くとかそういう方向じゃなく、ただ辛かったな。鷹梁のアイデンティティはどこになるんだろう? 正直、あまり消化できてない部分が多い。プリズムショー以外の部分への悩みが印象強すぎて、家庭の問題への意識が勝ってしまうんだよな…。でも、それこそが鷹梁だったのかも、とか。
プリズムショーはなんなら一番攻撃的だったけどな…カツオの腹に銛を打つな! そのパワー、好きになっちゃうだろ、もともと好きだが!
でも欲を言わせてもらうと、みんなを包み込む優しさとか料理とかじゃない部分以外をプリズムショーで見せて欲しかったな、例えば闘志とか…。
獲物を仕留める漁師の眼差し、欲しかったよ。
勝ちたいという気持ち、見たかったよ。
それがないこと自体が鷹梁の魅力だったとしても、プリズムキングカップにせよプリズム1にせよ、点数で競わざるを得ない世界において、点数を気にしてない!って胸を張れるのは不動の頂点にいるもののみだと思うので…。
でも鷹梁、本当は泣き虫なんだろうなって思えたのはよかった。キンプラで速水にカレー食べてもらってワンワン泣いてたのはびっくりしたけど、今回、あの場面とかこの場面とか見て、弟妹を面倒見る鷹梁とそうではない鷹梁がいること、弟妹を世話する鷹梁には我慢の概念がつきまとうことがわかってしまって、そうではない…父母や神浜とのシーンで涙が描かれたの、解放されたのかな? それが素なのかな? と思えて、しんみりしてしまった。
神浜がお子様ランチを用意したのも、もちろんオバレの仲間のことが念頭にあってのことだろうけど、鷹梁が封じ込めたまま育て上げられなかった童心へのアプローチだったんじゃないかなと思えて、神浜の洞察力のなせる技だったのか? タイミングも何もかも、神がかったアクションだったのではないでしょうか。自分の気持ちに正直になれるのは子供の特権だったのかもしれない。

う〜ん、あまりまとまってる気がしないんですけど、鷹梁回を考えれば考えるだけスタァとしての鷹梁の可能性に辛くなってしまうので、逃げるためにビール飲んでたらどんどんわけわからなくなってしまった。辛〜い。とりあえず、今回はそういう感じで、よろしくお願いします。以上です。

このブログ、見終わって3時間くらいのインターバルでこのザマなので、記憶なんて不確かなものだよな。はあ。オレンジのフラミンゴの曲、早く欲しいな…。

観客 is DEAD!

なるほどね、と。
LDHくんが「胸キュン」に取り組むとどうなるのか、こういうことだったんですね。
壁ドン、お姫様抱っこ、あとなんだっけ(記憶がない)…ええと、なんかそういうものを「胸キュン」のための道具に貶め、作り上げた虚構の上で女性陣のときめきを踊らせる。「お前たちこういうのが好きなんだろ」を作中でやってしまう。胸キュン is DEAD というのはそういうことなのか? もう「素」の胸キュンは存在しないということなのか? そして「王子」も、その虚構の胸キュンを本物のように存在させることができる者の称号だから、「素」の王子はもういない、そういう意味での “PRINCE is DEAD ” なのだろうか? どうなんだよ白濱亜嵐。オイ。

初代の現王丸(TAKAHIRO)、二代目の竜崎(岩田剛典)に続く三代目王子の称号は朱雀奏(片寄涼太)の手に渡ったわけで、これをLDHの各世代の稼ぎ頭と見る解釈が多いようですが、じゃあ白濱亜嵐は何だったんだよ!?
あのエンディングを見るに、三代目エースはやっぱり片寄だったんだね! と手放しに喜んでいい状況じゃないのでは?
やっぱり続きがあるんだなぁ〜映画一本で終わるわけがなかった。続編も楽しみにしています。
(※よくわかってないまま書いています)

見てる側の感情としてはキンプリと近似だと思います。
王子の概念も胸キュンの概念も、製作者・演者側と我々視聴者の間での共有は全く図られていないので、「なんかそういうものがあるらしい」というフワッとしたイメージだけを持って臨むことになるわけですが、ほぼ丸腰じゃね〜か! また置いてきぼりだよ。
胸キュン競技もわからないし、それを練習するのもわからないよ。
壁ドンの練習を男同士で繰り広げてるのもワカラナイ…。
兄が弟をお姫様抱っこして嬉しそうに走り出すのも、ワカラナイ………。
胸キュンは性別によって隔てられないという主張でもあるのでしょうか? とある男から男へ、胸に秘めた想いがあることは公式で明言されているので、そういう方向性も持ちつつ、それでも胸キュンは死んでしまうんだな…。難しいな。
あと、壁ドン自体は架空の胸キュン動作としてすでに広く人口に膾炙しているのでいいとしても、椅子取りゲームで胸キュンってなんだよ。個人的にケツのデカイ男が大好きだから、チーム生徒会の練習風景でのガブリエル笹塚(関口メンディー)にめちゃくちゃグッと来ちまったよ。そういう感情であってるのか? 出遅れて笹塚の膝の上に乗っかっちゃった生徒会長(佐野玲於)の虚無顔も好きだよ。

とか言いながら、エンドロールはほぼほぼ胸キュンに関係がない、チームの中でのほのぼの後日談みたいな感じでど肝を抜かれた。
先述の男←男の感情にもう一人乗っかってきて男←男←男の図になるし(どういうこと?????)、生徒会長はめちゃめちゃ筋トレ肉体美アピールしてくるし(コレは胸キュンだったのかもしれない)、兄弟は「やっぱり兄貴には叶わねーや!」で丸く収まってるし…。

兄弟めちゃくちゃ可愛かったよぉ〜。
兄はオラオラの超!ワンコ系でヒロインにど真ん中直球で向かっていくし、弟はそんな兄貴をサポートするって言いながらヒロインのこと好きになっちゃう。ライバル関係になるのか?と思いきや、そういう展開にはならず、弟はモヤモヤしたまま大会に参加することに。大会終了後(エンドロール)、兄に「お前も好きだったんだろ?」と指摘されて「兄貴はスゴイ!」に拍車がかかる……。
兄! なんで弟のこと抱き上げてクルクルしてんだよ!
兄は貧乏一家のおバカの肉体派の大食いキャラで、それはほぼ役者本人では?と思わざるを得ない(貧乏一家かどうかは知らない)。私はハイローとプリレの鈴木伸之しか知らないが、LDH映画の鈴木伸之は全部鈴木伸之役なのでは?と思っている(ハイローの鈴木伸之はおバカの肉体派の大食いなバイク整備屋の兄ちゃん)。
鈴木伸之はよぉ〜、飯食いながらインタビューする的な番組で焼肉屋に行って、AKIRAや岩田剛典が喋ってる間も普通に肉とかコメ喰ってんだよな。LDH系イベントのフードメニュー紹介のコーナーとかで、一人で全メニュー食べ切れるか!?みたいなことする役回りなんだよな。
そんなおバカな役どころながらも、ヒロインのことをちゃんと好きだからちゃんと見てて、ヒロインのクセを見抜いて「自分じゃダメなんだ」って気づいちゃうとこ、愛おしくてしょうがねえ…。
鈴木伸之! 俺を選べ! 俺が幸せにしてやる! 腹一杯飯を食わせてやるから!! ※鈴木伸之ではない
気づいちゃってるのに諦められなくて、「俺じゃダメなんだろ?」ってヒロイン本人に確認しに行っちゃう愚直さもたまらねぇ〜〜〜〜!!!!!
そこで一粒涙をこぼすじゃないですか。彼は。
感動的なシーン、私の感情もめちゃくちゃですよ。
でもねえ、鈴木伸之の涙は、恐ろしいんですよ。
LDHは有料チャンネルで色々な番組を公開していて、LDHの人間たちが色々なコーナーで色々なことをやってるらしいんですよね。
その中には「LDH俳優たちの中で誰が一番早く泣くことができるのか?」という演技対決があり、青柳翔と鈴木の対決では、青柳が頑張ってる横で、鈴木伸之、3秒で落涙
えっ…はや……。
こわ……。
彼が一体何に涙したのか? 我々には永久に知ることはできない。ただ恐ろしいことだけがわかった、それだけである…。

プリレの感想というか、鈴木伸之の話になってしまった…。
公開初日の昨日、舞台挨拶付きのものを見たので鈴木伸之の挨拶も見ていたのですが、あいつは本当に…心臓が強いな……。
場慣れしているので堂々と話し始めるのに、何も考えてないのでオチはないしダダ滑りしてるのに平気な顔して「まっそんな感じで!」と適当にしめてしまう(しまっていない)。
ハイローの何かの登壇挨拶の時、横一列に並んでるのに身を乗り出してまで隣の岩田の顔をずっと見てたせいで、鈴木の頭一個だけ前に飛び出ていたのを思い出した。
舞台挨拶、塩野瑛久かわいかったな、お前がヒロインだよ。

好きですか? 王様。
わたしは大好きです。

主君をコロコロ変えるとは、臣として不忠不義もここに極まれりといったところですが、「七度主君を変えねば武士とはいえぬ」ともいいますし、ちょっと私の新しい王様の話を聞いてください(ただし雑魚ちゃんは臣下でなければ武士でもない)。

そういえば十二国記、2019年中には新作出るって本当の本当ですか? 国が十二あって王も十二いるという、十二国記。
十二国では雁の王・小松の三男坊が好きなんですよ、国を失う男が好きなので。
今まで手の届かないところに取り上げられてたものを、姿が失われる寸前で押し付けられて、取りこぼして、それでもまだ求めてしまう、欲望というかバイタリティに満ち満ちて、野望を標榜して止まない精神力が愛おしくて……。あるいは、そうでもしなければ希望がなさすぎる、絶望と紙一重の境遇が。
新しい国がうまくいって、新しい民を守り尽くしても、失われたものは戻ってこない。「そのもの」はもうない。詫びる言葉もなく、相手もいない。癒えることのない傷は常に心の奥底で口を開けている。その傷が治らず痛むことに安堵するのか? 癒えなければ忘れないから?
とは言え自罰的な概念は、特別好きではないんだよな。自分を罰している暇があったら馬車馬のように働いて、未来のために尽くしてほしいので。とんでもないエゴですよ、これは。私の。

何の話をしているのか? 王様ですよ。

「国を滅ぼした男」たる悪名、最高では? とは最近ずっと考えてることなんですがね。真相がどうあれ、最後の王ってそういうことになってしまう(と思う)から。
ずっと後になって、歴史上の出来事として、ああすればこうすればと語られる中で、例えば無能であったとか人望がなかっただとか、そういう風に肉付けがされることもあるのでしょう。本当のことは誰も知らない。
ただ、場合によっては、長命の鷺あるいは竜の老人の子供時代の思い出として、露悪的で献身的な鴉の記憶がおぼろげにあり続けられるかもしれない。もっともそれがかつて王であったなんて、その子供には知り得なかったことだけど。
存命中の出来事でも、「鴉の王」を名乗る鴉が現れて、旧王の所業をを糾弾するとかありうるだろうな〜…鷹やベオクとの確執よりも、鴉同士での軋轢の方が、指標が不在になったことで突沸して諸所に飛び火しそうな気がする。
暁後、一国になった後の諸々もこうやって断片的に考えることはありながらも、過去のことで手一杯になってるので全く…全く取りかかれず……考えることが多くないですか? ていうか動かす手が少なすぎるのでは? どうして頭は一個しかなく、手は二本しかなく、一日が二十四時間しかない中で八時間眠ってしまうのだろうか。

関係ないようであるようでないんですが、「孵化する日3」が6月か7月に出ると思います。引き続き誓約まわりの捏造です。よろしくお願いします。十二国記とどっちが早いかな〜(?)。

で、新しい王様の話ですよ。今までのは前振りです。

グランブルーファンタジーが新しいキャラクターを突然十人もぶち込んできてまして、十賢者っていうらしいんですが、この中にいるんですよね〜王様〜〜〜…。公式くん、十人もいたら誰か刺さるやろ!みたいなレンジがバカでかい攻撃するのやめてくれや。王様とは別にもう一人致命傷差しこんできた奴もいるんでね…。王様じゃないので今日はその話はしませんけど…。
天星剣王シエテ様を仲間にした時の話と似ていて、十賢者を仲間にするのもハチャメチャなドロップ素材を集めまくらなきゃいけないようなので全く進んでおらず、ほとんど作中の会話は読めてないのにもうわかる、絶対好きなんだよなぁ、あの王様………。
ちょっとだけ公式HPから引用させていただきますね。

とある貧民街で人々から「王様」と慕われる、元ガルゲニア皇国の第五皇子、「断罪の皇帝」カッツェリーラ。

わかった?
わかっただろ? もういいだろ?
雑魚ちゃんはひっくり返って仰向けになったまま泣いています。オギャア。
王様、貧民街に居を構え、そこに住まう人々を正しい道へと導くような振る舞いをしているらしい(例えば密造酒を製造・販売していた男に樽に用いる材木の良し悪しを判断する目が備わっていることを見抜き、まっとうな材木商人へと転身させるなど)。王様、貧民街のみんなは正体も名前も知らないけど、王様と呼んで慕っている。王様、本当は音楽が好きで、政治には興味がなかった。
第五皇子だから継承権は遠いもんな…。そうだよな。でも、それが、今は……?
……………。
王様…………。
えっ…この後どうなるの…? 素材…どれ……? どの素材をどこで集めることができるのか、全くわからない。頑張れ雑魚ちゃん。道のりは長いがその分たどり着いた時の感動は…でかいぞ…。多分……。
ほらまたこうやって、本当に好きなのかわからない男を思い込みで好きになって労力つぎ込んでるだろ、なんて効率の悪い生き方なんだ。でもこういう生き方しかできない。業が深い。許してくれ、王様、許してください。
王の概念は象徴だから、全部王様のせいにしてもいいんだろ? そうだろう、俺には何の取り柄もなくて、あんたは俺を導けない。でもそれは俺が悪いんじゃなくて、俺を使えないあなたがいけないんだ、そうだろう王様…!

突然モブ貧民になる芸、やめたいな。

シエテの方も天星剣王とか言っちゃってるから、危ういニオイがプンプンするんだよな。最終上限解放するための素材集めがまっっっっっっっっっっったく終わっていないので、彼に関する全てのエピソードは解放できておらず、おそらくもっともどデカイ爆弾がそのまま残っている最悪の状況です。こわ…でも早く見たい……。
お前は何の王なんだ……。怖いよ〜怖いよ〜〜〜〜〜。

グラブル、例のイベント000後編は大満足の結末でした。最高だったね。
あんな概念を突きつけられたら、全ての言葉が陳腐になってしまうよ。
自分の求めるものがわかっていて、最短距離を突き進むパワーのある生き方。見ていてなんと気持ちのいいものか。
やっぱり何につけても体力なんですよ…。突き落とされた地の底で襲い来る混沌を殴り続け、不死を打倒する力を手にするに至ったその体力。愛ゆえにと宣いながら確たる目的を持ち、2000年の不眠を貫ける体力。目覚めてすぐでも敵をボコしてやろうとする気力、自分がコピーだと知りオリジナルを前にした時に、お前を打倒し取り込めば俺が完全になれると襲い掛かれる体力。
Power is everything.
やっぱり、そういうことなんだな。

というわけで、いろいろな王様の話をしてきましたが、七人は流石に揃えられませんでした。一つの作品から三人も四人も持ってくるの野暮だしな。
でもシンドバッドの生き方が一番好きかなと思います。王でありながらも「自分」の理想を追い続けた男、結局姿を消した男。根深いエゴを取りさらわなかった男。王がエゴを叶えることを肯定したがった男。
はーこわ、怖い。怖いよぉ。

意思が強い男が好きだなあ(統括)。

見ましたか? KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- (以下SSS)を。
全国の劇場で公開中です。

ところで3/2(土)公開なのに田舎の方では4/13(土)まで公開されないの、どういう事情なのか? テレビ放送の方が先に始まってしまうのでは?
※今回のキンプリは、4/8(月)放映開始のテレビシリーズ全12話を劇場先行公開するという試みであり、劇場版は3話ずつひとまとまりで全4編を3週間毎に公開、3/2からは第一弾(テレビシリーズ1〜3話相当分)公開中、3/23からは第二弾(テレビシリーズ4〜6話相当分)が公開予定です。
テレビシリーズ化、本当におめでとう。

ということで、見てきたわけですが。

https://twitter.com/zacoinfo/status/1102918876151525376

しょっぱな第1話冒頭からスペースざこちゃんになってしまった。

第1話は導入編として、世界観や共通設定、これまでのキンプリ・キンプラのあらすじが説明され、同時にテレビシリーズの立ち位置が表明されています。それがあのキンプリ特有のものすごいスピードで進んでいくものだから、キンプリ・プラ視聴済みの身でもそこはかとない置いてきぼり感を味わうことになりました。
が、これがクセになる……。アイドルの卵たちに置いてきぼりにされるために見に行ってるようなもんだと思っているよ。親切にされたくない。みんなには周りを顧みずに自分の決意を信じてまっすぐ前に進んでいってほしいんだ。その結果として発生する情報量の暴力で殴られたいだけなんだよ。ついていけないやつはバンバン切り捨てていって欲しい、そうして残った連中で、俺たちの偶像を囲むんだ…(ぐるぐる目)。
そう考えるとあのオバレのあり方はすごく理想的なんだよな…。

とか言ってるけど、朝帰りのくだり、正直ついていくのにかなり必死だったよ、何しろアルコール摂取中だからね。ビール飲みながらオバレのライブ生放送見てる気分のところに、オバレとお酒飲んでたら終電逃して朝帰りコースの妄想ぶち込まれると思ってないじゃん? 素直に「えっ?」ってなってしまった。
プリズムジャンプで朝帰りを表現するな! 5歳児だって見にきてるんですよ(ビールのカップ振り回しながら)。

それで、物語としては、前回(キンプラ)速水ヒロがキングオブプリズムの座に選出されたプリズムキングカップには不正があった! と主張する法月仁によってプリズム1なる新しい大会が設定され、エデロのみんなとシュワロのみんながガチンコ対決する流れになります。
第1話でこの説明があり、そして続く第2話からはそれぞれのメンバーにスポットライトが当たり、各々自分が抱える問題に向き合い、決意を新たに大会に挑んでいきます。
今回、第2話では立花ユキノジョウが、第3話では香賀美タイガがピックアップ対象でした。

いや〜しんどかった、見ててあまりにも辛い。もちろん最後には救いというか、解決が用意されてめでたしめでたしとして落ち着くんだけど、そこに至るまで、たった1話25分の中にここまで感情を詰め込めるんだ!? という驚きとともに、彼らの抱える問題の、個人的なようでいて大いに普遍性をはらんでいる様にやっぱり泣いてしまう…。
キンプラでプリズムキングカップへの出場を辞退し、シンに出場させるように提案したユキノジョウが抱える問題。歌舞伎一家の跡取りで、歌舞伎役者とプリズムスタァの二足の草鞋を穿く彼は、どちらの舞台でも自分の演技を掴みきれずにいる。
どちらもやりたいことのはずなのに、どちらかに打ち込めば、そうではなかった方から逃げていることになってしまうのか? ましてや歌舞伎界では連綿と続く一族の血を受け継いだ唯一の身であり、父も母も、ユキノジョウには歌舞伎役者として立ってほしいと強く願っている。
答えを出せないままプリズムカップには出られない、と考えたユキノジョウは、キンプラではシンに出場権を譲ってしまった。
SSSでシンは「あれはどうして?」とユキノジョウに直接尋ねたものの、ユキノジョウは「シンのプリズムショーが見たかった」とはぐらかしてしまう。素直なシンはこれを聞いて喜び、結局ユキノジョウの本音は明かされない。
これを影で聞いていたのが、ユキノジョウと同学年、高校2年生組の十王院と鷹梁。この時のふたりの表情、もう最高
その後、高校生3人は風呂場で一緒になり、ユキノジョウが己の境遇、不安、焦りなどの感情を吐露する流れになります。
ただ、ここすごく真面目なシーンのはずなのに、風呂場で繰り広げられてるおかげで全員全裸なんだよなあ…ユキノジョウが握り締める拳なんて、お尻の真横でさ…劇場のどでかいスクリーン満面のユキノジョウの生尻、見られるのは今だけですよ。
劇場へ行きましょう。その際には是非ビールをどうぞ(何の話だ?)。
そんなこんなあって、ユキノジョウは無事に課題を乗り越え、プリズム1の舞台に立ちます。
そうして始まったプリズムショー。歌舞伎役者として、そしてプリズムスタァとして。どちらの名にも恥じぬプリズムショーを作り上げたユキノジョウの姿に、歌舞伎役者としてのユキノジョウを望むばかりだった父母も心を打たれます。
プリズムスタァとしてのユキノジョウは、プリズムジャンプが飛べなくなってしまったシンに指導を施したり、そもそもプリズムキングカップへの出場を推薦されていたのは彼ですから、相当の実力があったと推測されていました。そんなユキノジョウが、歌舞伎の所作を取り入れた独自の4連続ジャンプを成功させ、圧倒的な地力を披露してくれたのです。
プリズムショーで泣かすの、ほんと勘弁して。もう、歌とか全然記憶がない。
2回見ても、3回見ても、後の流れがわかっているのでこの後ああなるんだ…なんて考えるせいで逆に泣くシーンが増えてしまって、結局見るごとに記憶を失う時間が長くなってるからな?

キンプリ〜キンプラで描かれてきたことを思い出すシーンがたくさんあって、今までシンを中心に描かれてきた生活、時間、人間関係を私たちが知っているからこそ成り立つ濃厚な25分という感じだった。

で、だ。

十王院と鷹梁だよ。
どうすんだよあいつら、感情バカ重いっていい加減わかってきてるぞ!?

十王院、「俺たちの代表として、ユキノジョウのプリズムショーが見たかったんだ」って面と向かって言っちゃう。悔しいよって。長い時間暮らしてきたエーデルローズの進退を、年下の、この前入ってきたばかりのシンに背負わせて不甲斐ないよって。
だけど実力がものを言うこの世界で、自分の力では通用しない。ユキノジョウならって思ってた。だけどそのユキノジョウも万全ではなかった。
それでも、ユキノジョウの抱える問題を知った時には「一族の重圧って、受けたことのある人間じゃないと理解できないよね」だなんて、同調しちゃう。十王院財閥の嫡男が受ける重圧。専務取締役という立場とプリズムスタァという夢。とはいえスタァとしての実力は未だ描かれず、どちらかというとショーには消極的な印象さえ受ける。
十王院回、そこはかとない予感だけで今からもうすでに辛いぞ。

そして鷹梁、あいつも絶対やばいからな。
ユキノジョウがシンをケムに巻いてしまった時のあの顔。
悩みがあるのなら相談してほしい、力になりたい。そうやって言いながら。
プリズムキングカップにはシンを推薦すると言うユキノジョウに、「君がそうしたいのなら、僕もそれがいいと思う」と笑いかける。それを聞いた十王院は顔をしかめる。
お、お前の意思はどこだ〜〜〜〜〜〜!!!!!
お前はどこにいる? どこにいたいんだ?
プリズムショーに消極的なのは鷹梁もそうだと思う。高校2年生という年頃、将来を考えてしまうのかもしれない。スタァとして芽が出ない自分は、どうすればいいのだろう?
更に一族の重圧のくだり、鷹梁にも適応されてしまうのだろうか? SSS、家と自分みたいなテーマは確実に含まれている。
本当に怖い。

十王院回(4話)と鷹梁回(6話)を含む劇場版第2弾は3/23(土)から公開開始!
怖いよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!
5話は高田馬場ジョージ回だから、これはこれで絶対つらい、ズンドコから這い上がる男が見れると期待している、這い上がった先でしがみつき、なお上を目指す男、大好きだからよ!

ハァハァ、本当にやばい、書きながら思い出し涙をこぼしてしまった。今公式HP見てたらおまけムービーが週替わりでやってるみたいだから、今週また見に行ってしまうかもしれない…。オタク、業が深いので何度でも死に、何度でも蘇るぞ。

以上、SSS感想でした。
香賀美回は、なんというか、美しかったです。
仁科への香賀美の思いとか、それにまつわるあれこれとか、香賀美が仁科やシンのプリズムショーと出会って何を学び、どう昇華したのかが見られて、本当に良かった。
それはそれとして仁科の人タラシムーブが度を越してて震え上がってしまった。香賀美、気をつけろよ……。仁科はオバレの手にしか負えないと私は思うね。あんわかにはかわいそうなことだが…。

春コミお疲れ様でした。当サークルスペースにお立ち寄りくださった皆様に感謝申し上げます。普段は全く一人で漫画を描いているのですが、イベントに出ると見てくださる方や手にとってくれる方がいらっしゃって、このCPの二人は架空だけど架空じゃないんだな…と感慨深い思いになります。
新刊2種の通販を開始しました。boothにてご確認ください。

今後の予定については、スパコミ(5月)どうしようかなと延々悩んでいましたが、悩んでいる間に定員オーバーしたっぽくて強制的に参加見送りになりました。しょうがないね。
次はこういう内容の本を出したいな〜という考えがそれぞれのCPであって、ただ私の腕は1セットしかないので、どの順番で出すかというのが悩みどころです。
これまで1年に3-4冊くらい出しているので、今年はあと6月くらいに1回と、10月くらいに1回と出られたらバランスはいいのかもしれない。
ただ、スパーク(10月)がもともとオールジャンルを1日でまとめて開いてくれてて、漫画ジャンルとゲームジャンルまたいで活動している身には非常にありがたかったんですけど、今年は会場の問題から2日間開催になり、漫画ジャンルの日とゲームジャンルの日に分かれてしまうようで、どのジャンルで出るのかでかなり状況が変わってしまうな…と思ってこちらもいまいち決めかねています。2日とも出るのはどう考えても体力的にしんどいもんな。
こんなことならイベントに出ないで通販だけやるのも悪くないなとは思っています。本は出したいので…。

とはいえ半年先のことなんてわかるわけないじゃん? 今まさにグラブルでボコボコにされてるけど、1年ちょっと前にはグラブルのグの字も知らなかったわけだし…(昨日システムで確認したらプレイ開始から365日目だった。怖い)
【000】はベリアルが出てくるシーズンイベントの3作目にして完結編のタイトルです。
今、前編と後編の間のインターバル期間中で、これは前編でズタズタにされた精神を少しでも回復しておけという公式の心遣いなのでしょうか? むしろ感情の見つめ直しが進んで、より傷が深くなってるぞ。
グラブルやってよ!!! 私と一緒に死んでくれ!!!!! と懇願して回ったのも虚しく、知人は誰もグラブルを始めてくれない。興味がないものがしょうがないし、逆に考えるとネタバレ注意する必要がないということだと思いますので、以下あらすじと感想です。

【あらすじ】
よくわからん。
いや、だって難しいんだよ概念がよ…。
『どうして空は蒼いのか』→天司サンダルフォンが【厄災】を引き起こす。
『失楽園』(ど空蒼2)→【厄災】後、サンダルフォンが繭で眠らされている中、天司長ルシフェルが殺される。色々あってサンダルフォンは天司長の役割を引き継ぐ。
『000』(ど空蒼3)→???
天司:グラブル世界の元素(火、風、土、水など)を司る概念。星の民によって作られた存在。
星の民:かつて空の民(主人公たちが含まれる種族)を襲い、覇空戦争を引き起こした異種民族。今ではほぼ姿を見せない。星の民ルシファーはルシフェルや他の天司を作り出し、それぞれ元素を管理させた。
ベリアルもルシファーに作り出された天司のひとり。【狡知】を司るとされる。
先述の四元素を司る四大天司やルシフェル、ベリアルはヒトと並ぶ知能を備えたが、彼ら以降に生まれた天司らは、作られる際に持ちうる知能に制限を受けている。また、より下位の存在として星晶獣が作られているが、これは意思が薄かったり、欲求に抗えなかったりするなど、より制限が強い様子。星晶獣は星の民が対空の民の兵器として作ったものとされているため、破壊行動に引きずられる側面が大きい。
ちなみにサンダルフォンはルシフェルが作ったので少し枠が違う。

そもそもの始まりは星の民の研究者ルシファーが天司を作ったことまで遡るのですが、「なぜ作ったのか」についてが『000』で語られているわけで…。
端的にいうと「世界を滅ぼすため」になるという、こう、スケールがでかい男ですよファーさんは。
ファーさんが世界を滅ぼすためにしていたこと、あれこれ手伝って、世界を滅ぼすことが何を意味するのかも全部わかっていたっていうのがベリアルだったということが、000前編で判明してしまいました。ベリアルはずっとファーさんの望みのために動き続けてきたわけですね、『失楽園』で初登場して我々プレイヤーのど肝を抜きまくったあの言動、全部ファーさんのためだったんですよ。
ていうかベリアルはファーさんが作ったわけだから、あの性格というか生き方全部ファーさんが設定した? の? アイヤー…
こわ…
そしてファーさんは2000年前に一度死んでいるんですよね。ルシフェルらの反乱によって。そのあとも天司たちは生き続け、空の世界を存続させてたわけですよ。そんな中で、ベリアル。ファーさんが死んだあと2000年経って出てきて、ルシフェルの体を強奪しファーさんの首とつなぎ合わせ、ファーさんの望む終末を一緒に見ようと頑張ってるお前。
ベリアルはファーさんの昔の協力者バブさんと再会し、SEKAI NO OWARIに向けた取り組みを始めたわけですが(ルシフェルを殺したのはバブさん)、ファーさんと一緒に世界が終わる様を見届けるんだ、というのが今わかっているベリアルの望みなわけで。
いや、あの、ちょっと、健気がすぎませんか? 一途ってこういうこと? 2000年間待ち続けた男なわけ?
攻めじゃん……
念願叶ってファーさんは目を覚まし、終末に向けた最後の手を取ろうとします。主人公やサンダルフォンはこれを止めるべくファーさんを追おうとしますが、そうは問屋が卸さない、ベリアルは「2000年待ってた俺を置いてお前たちがファーさんを追うのか?」と立ちふさがるわけです。
感情、重……
そんな…そんな数字出されたら誰も勝てないじゃん……
『000』になって突然2000という数字が飛び出てきて、凶悪な使われ方をしているので完全に震え上がっている。
ルシフェルの反乱の後、ファーさんと一緒にベリアルも姿を消していたんですけど、天司はみんなベリアルも死んだものだと思ってたみたいなんですよね。天司は有事の際には人の姿をとりますが、通常時では姿なく世界の空気として蔓延しているものらしく、世界のどこかに同類がいればそうと感じることができるようです。でも誰もベリアルのことを感知できなかった。気配を消すことは可能でも、2000年もの間続けることは並大抵のことではなく、「人間でいえば不眠のようなもの」と言われています。
2000年の不眠、2000年の我慢、2000年の、……。

2000年の重みですでにあっぷあっぷなんですけど、こんなのはまだまだしんどさの一要素にしか過ぎなくて、天司/星晶獣の幸せとは?とか、生きる意味の問いかけとか、受け入れてしまうことの罪深さとか、様々な概念でボコボコにされています。
ベリアルの人間性(人間じゃないけど)も、行きずりの女をさっくり殺してしまうとか、自分が仲間に引き込み、慕ってくれていた後期天司へのあの仕打ちとか、そういうもので大興奮&&大打撃。わ、わかってたのに〜こういう奴だってわかってたのに〜わかってたから好きになって、本当にその通りで予想できてたのに防御できずに結局ボコボコ。
前編だけでこんなことになってるのに、後編が始まってしまったら私たち一体どうなるの?

薄目で読んでたのに眼球飛び出た名台詞
「頼むよ、俺の救世主」
これを超える台詞がまた出てきてしまうのか?
オタクは何回死ねばいいのか。

グランブルーファンタジー『どうして空は蒼いのかPart.Ⅲ』【000】後編は3/7(木)17:00スタートです。