キンプリSSS(1)感想(190311)

見ましたか? KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- (以下SSS)を。
全国の劇場で公開中です。

ところで3/2(土)公開なのに田舎の方では4/13(土)まで公開されないの、どういう事情なのか? テレビ放送の方が先に始まってしまうのでは?
※今回のキンプリは、4/8(月)放映開始のテレビシリーズ全12話を劇場先行公開するという試みであり、劇場版は3話ずつひとまとまりで全4編を3週間毎に公開、3/2からは第一弾(テレビシリーズ1〜3話相当分)公開中、3/23からは第二弾(テレビシリーズ4〜6話相当分)が公開予定です。
テレビシリーズ化、本当におめでとう。

ということで、見てきたわけですが。

https://twitter.com/zacoinfo/status/1102918876151525376

しょっぱな第1話冒頭からスペースざこちゃんになってしまった。

第1話は導入編として、世界観や共通設定、これまでのキンプリ・キンプラのあらすじが説明され、同時にテレビシリーズの立ち位置が表明されています。それがあのキンプリ特有のものすごいスピードで進んでいくものだから、キンプリ・プラ視聴済みの身でもそこはかとない置いてきぼり感を味わうことになりました。
が、これがクセになる……。アイドルの卵たちに置いてきぼりにされるために見に行ってるようなもんだと思っているよ。親切にされたくない。みんなには周りを顧みずに自分の決意を信じてまっすぐ前に進んでいってほしいんだ。その結果として発生する情報量の暴力で殴られたいだけなんだよ。ついていけないやつはバンバン切り捨てていって欲しい、そうして残った連中で、俺たちの偶像を囲むんだ…(ぐるぐる目)。
そう考えるとあのオバレのあり方はすごく理想的なんだよな…。

とか言ってるけど、朝帰りのくだり、正直ついていくのにかなり必死だったよ、何しろアルコール摂取中だからね。ビール飲みながらオバレのライブ生放送見てる気分のところに、オバレとお酒飲んでたら終電逃して朝帰りコースの妄想ぶち込まれると思ってないじゃん? 素直に「えっ?」ってなってしまった。
プリズムジャンプで朝帰りを表現するな! 5歳児だって見にきてるんですよ(ビールのカップ振り回しながら)。

それで、物語としては、前回(キンプラ)速水ヒロがキングオブプリズムの座に選出されたプリズムキングカップには不正があった! と主張する法月仁によってプリズム1なる新しい大会が設定され、エデロのみんなとシュワロのみんながガチンコ対決する流れになります。
第1話でこの説明があり、そして続く第2話からはそれぞれのメンバーにスポットライトが当たり、各々自分が抱える問題に向き合い、決意を新たに大会に挑んでいきます。
今回、第2話では立花ユキノジョウが、第3話では香賀美タイガがピックアップ対象でした。

いや〜しんどかった、見ててあまりにも辛い。もちろん最後には救いというか、解決が用意されてめでたしめでたしとして落ち着くんだけど、そこに至るまで、たった1話25分の中にここまで感情を詰め込めるんだ!? という驚きとともに、彼らの抱える問題の、個人的なようでいて大いに普遍性をはらんでいる様にやっぱり泣いてしまう…。
キンプラでプリズムキングカップへの出場を辞退し、シンに出場させるように提案したユキノジョウが抱える問題。歌舞伎一家の跡取りで、歌舞伎役者とプリズムスタァの二足の草鞋を穿く彼は、どちらの舞台でも自分の演技を掴みきれずにいる。
どちらもやりたいことのはずなのに、どちらかに打ち込めば、そうではなかった方から逃げていることになってしまうのか? ましてや歌舞伎界では連綿と続く一族の血を受け継いだ唯一の身であり、父も母も、ユキノジョウには歌舞伎役者として立ってほしいと強く願っている。
答えを出せないままプリズムカップには出られない、と考えたユキノジョウは、キンプラではシンに出場権を譲ってしまった。
SSSでシンは「あれはどうして?」とユキノジョウに直接尋ねたものの、ユキノジョウは「シンのプリズムショーが見たかった」とはぐらかしてしまう。素直なシンはこれを聞いて喜び、結局ユキノジョウの本音は明かされない。
これを影で聞いていたのが、ユキノジョウと同学年、高校2年生組の十王院と鷹梁。この時のふたりの表情、もう最高
その後、高校生3人は風呂場で一緒になり、ユキノジョウが己の境遇、不安、焦りなどの感情を吐露する流れになります。
ただ、ここすごく真面目なシーンのはずなのに、風呂場で繰り広げられてるおかげで全員全裸なんだよなあ…ユキノジョウが握り締める拳なんて、お尻の真横でさ…劇場のどでかいスクリーン満面のユキノジョウの生尻、見られるのは今だけですよ。
劇場へ行きましょう。その際には是非ビールをどうぞ(何の話だ?)。
そんなこんなあって、ユキノジョウは無事に課題を乗り越え、プリズム1の舞台に立ちます。
そうして始まったプリズムショー。歌舞伎役者として、そしてプリズムスタァとして。どちらの名にも恥じぬプリズムショーを作り上げたユキノジョウの姿に、歌舞伎役者としてのユキノジョウを望むばかりだった父母も心を打たれます。
プリズムスタァとしてのユキノジョウは、プリズムジャンプが飛べなくなってしまったシンに指導を施したり、そもそもプリズムキングカップへの出場を推薦されていたのは彼ですから、相当の実力があったと推測されていました。そんなユキノジョウが、歌舞伎の所作を取り入れた独自の4連続ジャンプを成功させ、圧倒的な地力を披露してくれたのです。
プリズムショーで泣かすの、ほんと勘弁して。もう、歌とか全然記憶がない。
2回見ても、3回見ても、後の流れがわかっているのでこの後ああなるんだ…なんて考えるせいで逆に泣くシーンが増えてしまって、結局見るごとに記憶を失う時間が長くなってるからな?

キンプリ〜キンプラで描かれてきたことを思い出すシーンがたくさんあって、今までシンを中心に描かれてきた生活、時間、人間関係を私たちが知っているからこそ成り立つ濃厚な25分という感じだった。

で、だ。

十王院と鷹梁だよ。
どうすんだよあいつら、感情バカ重いっていい加減わかってきてるぞ!?

十王院、「俺たちの代表として、ユキノジョウのプリズムショーが見たかったんだ」って面と向かって言っちゃう。悔しいよって。長い時間暮らしてきたエーデルローズの進退を、年下の、この前入ってきたばかりのシンに背負わせて不甲斐ないよって。
だけど実力がものを言うこの世界で、自分の力では通用しない。ユキノジョウならって思ってた。だけどそのユキノジョウも万全ではなかった。
それでも、ユキノジョウの抱える問題を知った時には「一族の重圧って、受けたことのある人間じゃないと理解できないよね」だなんて、同調しちゃう。十王院財閥の嫡男が受ける重圧。専務取締役という立場とプリズムスタァという夢。とはいえスタァとしての実力は未だ描かれず、どちらかというとショーには消極的な印象さえ受ける。
十王院回、そこはかとない予感だけで今からもうすでに辛いぞ。

そして鷹梁、あいつも絶対やばいからな。
ユキノジョウがシンをケムに巻いてしまった時のあの顔。
悩みがあるのなら相談してほしい、力になりたい。そうやって言いながら。
プリズムキングカップにはシンを推薦すると言うユキノジョウに、「君がそうしたいのなら、僕もそれがいいと思う」と笑いかける。それを聞いた十王院は顔をしかめる。
お、お前の意思はどこだ〜〜〜〜〜〜!!!!!
お前はどこにいる? どこにいたいんだ?
プリズムショーに消極的なのは鷹梁もそうだと思う。高校2年生という年頃、将来を考えてしまうのかもしれない。スタァとして芽が出ない自分は、どうすればいいのだろう?
更に一族の重圧のくだり、鷹梁にも適応されてしまうのだろうか? SSS、家と自分みたいなテーマは確実に含まれている。
本当に怖い。

十王院回(4話)と鷹梁回(6話)を含む劇場版第2弾は3/23(土)から公開開始!
怖いよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!
5話は高田馬場ジョージ回だから、これはこれで絶対つらい、ズンドコから這い上がる男が見れると期待している、這い上がった先でしがみつき、なお上を目指す男、大好きだからよ!

ハァハァ、本当にやばい、書きながら思い出し涙をこぼしてしまった。今公式HP見てたらおまけムービーが週替わりでやってるみたいだから、今週また見に行ってしまうかもしれない…。オタク、業が深いので何度でも死に、何度でも蘇るぞ。

以上、SSS感想でした。
香賀美回は、なんというか、美しかったです。
仁科への香賀美の思いとか、それにまつわるあれこれとか、香賀美が仁科やシンのプリズムショーと出会って何を学び、どう昇華したのかが見られて、本当に良かった。
それはそれとして仁科の人タラシムーブが度を越してて震え上がってしまった。香賀美、気をつけろよ……。仁科はオバレの手にしか負えないと私は思うね。あんわかにはかわいそうなことだが…。