好きですか? 王様。
わたしは大好きです。

主君をコロコロ変えるとは、臣として不忠不義もここに極まれりといったところですが、「七度主君を変えねば武士とはいえぬ」ともいいますし、ちょっと私の新しい王様の話を聞いてください(ただし雑魚ちゃんは臣下でなければ武士でもない)。

そういえば十二国記、2019年中には新作出るって本当の本当ですか? 国が十二あって王も十二いるという、十二国記。
十二国では雁の王・小松の三男坊が好きなんですよ、国を失う男が好きなので。
今まで手の届かないところに取り上げられてたものを、姿が失われる寸前で押し付けられて、取りこぼして、それでもまだ求めてしまう、欲望というかバイタリティに満ち満ちて、野望を標榜して止まない精神力が愛おしくて……。あるいは、そうでもしなければ希望がなさすぎる、絶望と紙一重の境遇が。
新しい国がうまくいって、新しい民を守り尽くしても、失われたものは戻ってこない。「そのもの」はもうない。詫びる言葉もなく、相手もいない。癒えることのない傷は常に心の奥底で口を開けている。その傷が治らず痛むことに安堵するのか? 癒えなければ忘れないから?
とは言え自罰的な概念は、特別好きではないんだよな。自分を罰している暇があったら馬車馬のように働いて、未来のために尽くしてほしいので。とんでもないエゴですよ、これは。私の。

何の話をしているのか? 王様ですよ。

「国を滅ぼした男」たる悪名、最高では? とは最近ずっと考えてることなんですがね。真相がどうあれ、最後の王ってそういうことになってしまう(と思う)から。
ずっと後になって、歴史上の出来事として、ああすればこうすればと語られる中で、例えば無能であったとか人望がなかっただとか、そういう風に肉付けがされることもあるのでしょう。本当のことは誰も知らない。
ただ、場合によっては、長命の鷺あるいは竜の老人の子供時代の思い出として、露悪的で献身的な鴉の記憶がおぼろげにあり続けられるかもしれない。もっともそれがかつて王であったなんて、その子供には知り得なかったことだけど。
存命中の出来事でも、「鴉の王」を名乗る鴉が現れて、旧王の所業をを糾弾するとかありうるだろうな〜…鷹やベオクとの確執よりも、鴉同士での軋轢の方が、指標が不在になったことで突沸して諸所に飛び火しそうな気がする。
暁後、一国になった後の諸々もこうやって断片的に考えることはありながらも、過去のことで手一杯になってるので全く…全く取りかかれず……考えることが多くないですか? ていうか動かす手が少なすぎるのでは? どうして頭は一個しかなく、手は二本しかなく、一日が二十四時間しかない中で八時間眠ってしまうのだろうか。

関係ないようであるようでないんですが、「孵化する日3」が6月か7月に出ると思います。引き続き誓約まわりの捏造です。よろしくお願いします。十二国記とどっちが早いかな〜(?)。

で、新しい王様の話ですよ。今までのは前振りです。

グランブルーファンタジーが新しいキャラクターを突然十人もぶち込んできてまして、十賢者っていうらしいんですが、この中にいるんですよね〜王様〜〜〜…。公式くん、十人もいたら誰か刺さるやろ!みたいなレンジがバカでかい攻撃するのやめてくれや。王様とは別にもう一人致命傷差しこんできた奴もいるんでね…。王様じゃないので今日はその話はしませんけど…。
天星剣王シエテ様を仲間にした時の話と似ていて、十賢者を仲間にするのもハチャメチャなドロップ素材を集めまくらなきゃいけないようなので全く進んでおらず、ほとんど作中の会話は読めてないのにもうわかる、絶対好きなんだよなぁ、あの王様………。
ちょっとだけ公式HPから引用させていただきますね。

とある貧民街で人々から「王様」と慕われる、元ガルゲニア皇国の第五皇子、「断罪の皇帝」カッツェリーラ。

わかった?
わかっただろ? もういいだろ?
雑魚ちゃんはひっくり返って仰向けになったまま泣いています。オギャア。
王様、貧民街に居を構え、そこに住まう人々を正しい道へと導くような振る舞いをしているらしい(例えば密造酒を製造・販売していた男に樽に用いる材木の良し悪しを判断する目が備わっていることを見抜き、まっとうな材木商人へと転身させるなど)。王様、貧民街のみんなは正体も名前も知らないけど、王様と呼んで慕っている。王様、本当は音楽が好きで、政治には興味がなかった。
第五皇子だから継承権は遠いもんな…。そうだよな。でも、それが、今は……?
……………。
王様…………。
えっ…この後どうなるの…? 素材…どれ……? どの素材をどこで集めることができるのか、全くわからない。頑張れ雑魚ちゃん。道のりは長いがその分たどり着いた時の感動は…でかいぞ…。多分……。
ほらまたこうやって、本当に好きなのかわからない男を思い込みで好きになって労力つぎ込んでるだろ、なんて効率の悪い生き方なんだ。でもこういう生き方しかできない。業が深い。許してくれ、王様、許してください。
王の概念は象徴だから、全部王様のせいにしてもいいんだろ? そうだろう、俺には何の取り柄もなくて、あんたは俺を導けない。でもそれは俺が悪いんじゃなくて、俺を使えないあなたがいけないんだ、そうだろう王様…!

突然モブ貧民になる芸、やめたいな。

シエテの方も天星剣王とか言っちゃってるから、危ういニオイがプンプンするんだよな。最終上限解放するための素材集めがまっっっっっっっっっっったく終わっていないので、彼に関する全てのエピソードは解放できておらず、おそらくもっともどデカイ爆弾がそのまま残っている最悪の状況です。こわ…でも早く見たい……。
お前は何の王なんだ……。怖いよ〜怖いよ〜〜〜〜〜。

グラブル、例のイベント000後編は大満足の結末でした。最高だったね。
あんな概念を突きつけられたら、全ての言葉が陳腐になってしまうよ。
自分の求めるものがわかっていて、最短距離を突き進むパワーのある生き方。見ていてなんと気持ちのいいものか。
やっぱり何につけても体力なんですよ…。突き落とされた地の底で襲い来る混沌を殴り続け、不死を打倒する力を手にするに至ったその体力。愛ゆえにと宣いながら確たる目的を持ち、2000年の不眠を貫ける体力。目覚めてすぐでも敵をボコしてやろうとする気力、自分がコピーだと知りオリジナルを前にした時に、お前を打倒し取り込めば俺が完全になれると襲い掛かれる体力。
Power is everything.
やっぱり、そういうことなんだな。

というわけで、いろいろな王様の話をしてきましたが、七人は流石に揃えられませんでした。一つの作品から三人も四人も持ってくるの野暮だしな。
でもシンドバッドの生き方が一番好きかなと思います。王でありながらも「自分」の理想を追い続けた男、結局姿を消した男。根深いエゴを取りさらわなかった男。王がエゴを叶えることを肯定したがった男。
はーこわ、怖い。怖いよぉ。

意思が強い男が好きだなあ(統括)。